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毒リンゴの味

毒リンゴの味

夢の中では、その子は可愛い顔をしていた。

新学期が始まり、新しい友達が出来た。
その子は僕の持っていないものを持っていて、僕の憧れだった。
だけど、そんなことは感じさせないくらい、僕に対して対等に接してくれることが嬉しくて、ますます輝いて見えた。
顔も知らなかったから、どんな人なのかは想像することしかできなかったけれど、心はとても満たされていた。

何度も心の中で会いたいと願った。
夢に見るくらい会いたいと願った。
夢の中では、その子は可愛い顔をしていた。
それは恋だった。

長い時が経ち、ついにその日がやってきた。
もう、不安にならなくて良い。
だって、やっと会えたんだから。
「まるで、夢みたいだ。」