泣きじゃくっていた
迷子の僕は、
手を引かれて
ここにやってきた。
嬉しいという気持ちも、
恥ずかしいという気持ちも、
誰か一人のものではなくなって、
この空間を包み始めた。
氷の冷たさ、
空気の振動、
食べ物の味、
人の温かさ、
全てがこの身体に伝わってくる。
そして気付いた。
これが現実なんだ。
優しい風は雲を吹き飛ばし、
日差しが僕たちに降り注いだ。
草木は宝石のように輝いて、
楽しそうに祝福している。
もう明日に怯えなくていい。
この夜は永遠なのだから。
そして僕はこう言おう。
お疲れ様。
