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いつから (-∞, ∞) は開区間だと錯覚していた?

記号だけ見て判断していないか?

(-∞, ∞) というのは記号だけを見ると開区間のように見える。実際、自分もこれは開区間だと思っていたのだが、実は (-∞, ∞) は開区間・閉区間の枠組みには含まれないのかもしれない。例えば以下の記事では有界区間と無限区間が別のものとして分類されている。

区間の定義 | 実数の定義 | 実数 | 数学 | ワイズ
https://wiis.info/math/real-number/definition-of-real-number/interval/

書籍などの複数の信頼できる情報源は今は手元には無いが、確かに \( \mathbb{R} \) において (-∞, ∞) は開集合かつ閉集合であるなど、他の有限区間とは異なる性質を持っているため、区別を行うのは合理的かもしれない。

区間の分類

実数直線上の区間は以下のように分類できる。ここで、\( -\infty<a<b<\infty \) とする。以下のように、\( (-\infty,\infty) \) や無限閉区間については、集合としての分類と区間として表記した際の記号の種類が一致していないことがわかる。

つまり、「区間が丸カッコだけで表記されているならば閉集合ではない」「空でない \( \mathbb{R} \) の連結な閉部分集合は区間として角カッコだけで表記できる」という命題は成立しない。 ← この記事で一番言いたかったこと

なお、空集合や一点集合は文脈によっては区間に含まれない場合もあるので、定義をよく確認すること。

分類 集合としての性質 区間としての性質 大分類
\( \phi \) (=空集合) 開かつ閉集合 開区間かつ閉区間かつ半開区間 有界区間
\( [a,a] \) (=一点集合) 閉集合 閉区間
\( (a,b) \) 開集合 開区間
\( (a,b],\quad [a,b) \) 半開区間
\( [a,b] \) 閉集合 閉区間
\( (a,\infty),\quad (-\infty,a) \) 開集合 無限開区間 (開区間?) 無限区間
\( [a,\infty),\quad (-\infty,a] \) 閉集合 無限閉区間 (半開区間??)
\( (-\infty,\infty) \) 開かつ閉集合 全区間 (開区間??)

書籍などの複数の信頼できる情報源が手に入ったらこの記事を更新したい。無限開区間は開区間の一種であり、無限閉区間は閉区間の一種である、という解釈ももしかしたらあるのかもしれない。

備考

開区間は開集合となる。また、閉区間は閉集合となる。

開区間,閉区間の意味と関連する話題 | 高校数学の美しい物語
https://manabitimes.jp/math/1183